脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫(リポーマ)とは
脂肪腫は、皮下に発生する良性腫瘍で、軟部組織の腫瘍の中では最も多くみられるものの一つです。
繊維質の袋状の組織の中に脂肪が蓄えられていき、徐々に大きくなっていきます。現在のところはっきりとした原因は分かっていません。
一般的に単発性の腫瘍ですが、稀に複数発生する場合があります。
脂肪腫は幼少時に発生していると考えられていますが、非常にゆっくりと大きくなるため20歳以下で発見されることは稀で、40~50歳代に見つかることが多いです。女性に多いとされますが報告によってまちまちで一定しません。一般的に肥満者に多いとも言われています。
身体中どこでも発生の可能性がありますが、背部、肩、頸部、臀部、上腕、大腿など体の中心に近い場所に多くみられます。顔、頭皮、膝下などに見られることは稀です。大きさは直径数㎜程度のものから、10センチ以上になるものまで様々です。一般的にかゆみや痛みといった症状はなく、皮膚が盛り上がり、触ると柔らかなしこりを感じることができます。
脂肪腫自体は良性腫瘍ですが、よく似た症状や見た目の悪性腫瘍もあるため、医師の診察を受け可能な限り早く手術で取り除き、病理検査を行うことをおすすめします。放置しているとどんどん大きくなるため美容的な観点でも早めの手術をおすすめします。
手術の流れ
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Step 1【該当箇所へのマーキング】
イメージ画像では肩に大きな脂肪腫(リポーマ)があることが分かります。手術の前に、該当箇所に印(マーキング)を施します。 -
Step 2【麻酔注射と切開】
局所麻酔を施し、脂肪腫直上の皮膚を切開します。注射が苦手な方のために、極細の針や薬剤の工夫をすることで痛みを軽減しています。当院では、形成外科専門医が皮膚切開部のデザインを行い、できるだけ小さくすることで傷痕を目立ちにくくなるようこだわっています。 -
Step 3【腫瘍の摘出】
脂肪腫をかたまりごと全て摘出します。指とピンセットを用い、丁寧に行います。 -
Step 4【止血と縫合】
脂肪腫を取り除いた部分は空洞になり血が溜まりやすいため、しっかりと止血し、縫合を行います。場合によっては「ドレーン」と呼ばれる管を用い、溜った血を排出します。その後ガーゼと伸縮テープで圧迫固定をして手術終了となります。 -
Step 5【抜糸】
手術後約1~2週間で抜糸を行います。縫い合わせが露出しない縫合方法もあります。術後の治りを早め、傷痕を目立ちにくくするために細い糸を使い的確に縫い合わせることを心がけています。 -
Step 6【肌の再生】
抜糸から1週間ほど経てば赤みが引き、肌が正常な状態に再生していきます。
手術後の注意点
当院では手術の際、できるだけ小さく切開するよう心がけており、1㎝以下の小さな傷で済めばほとんど痛みが出ないよう努めています。
なるべく早く、綺麗に傷が治るよう、手術後の生活にも注意が必要です。血行を促進してしまうと出血のリスクが高まります。飲酒や運動は控えましょう。
- アルコールの摂取は最低手術後3日間、可能ならば1週間は飲酒を控えてください。
- 運動は、手術当日と翌日は行わないでください。
また、運動を控える期間を更に長く取る方が望ましい場合もありますので、ご相談ください。 - 入浴については手術の翌日からのシャワーが可能な場合があります。
いずれにしても、部位や傷・腫瘍の大きさなどによりこれらの制限の内容や期間は変わってきます。
患者様の状態を見ながら医師がしっかりご説明しますので、不安や疑問などありましたら、お気軽にご相談ください。
料金
料金表よりご確認いただけます。