目次
要旨
ポテンツァとは
POTENZAがおすすめ方
対応できる肌悩みと施術種類
[1]肝斑治療
[2]酒さ治療
[3]毛穴治療
[4]リジュビネーション・タイトニング
[5]ドラッグデリバリー・ニキビ痕・怪我や火傷の瘢痕
McCoomとは?
CP25(ポンピングチップ)とは??
ダイヤモンドチップとは??
POTENZAを受けられない・受けられない可能性のある方
治療の流れ
副作用
ダウンタイム
治療回数と治療間隔
施術後のアフターケア
施術後の注意事項
よくある質問と回答
要旨
ニキビ跡
毛穴
肝斑
酒さ
などの悩みや肌の若返りや引き締めを目指すことができるRF治療機です。
症状に合わせて様々なチップを使い分け、ニードルチップを用いる施術とニードルチップを用いない施術があります。
ダウンタイムはチップによって異なりますが数時間から1週間程度が目安です.
治療間隔と治療回数は悩みによって異なりますが1週間から1ヶ月程度で複数回の施術を受けることでより高い効果が期待できます.
POTENZA(ポテンツァ)とは?
POTENZA(ポテンツァ)は,様々な肌の悩みに働きかけるマルチプラットフォームRF(Radio Frequency;高周波)治療機です.
①マイクロニードルと呼ばれる微細な針を皮膚に穿刺し微小な穴を開けて創傷治癒作用によりコラーゲンの生成を促進させるニードル治療
②針先からRF(高周波)を照射して真皮層に直接熱エネルギーを与えタンパク質の変性により組織の再生を促進させるRF治療
③薬剤を塗布して正確かつ均一な高い浸透力で薬剤を導入するメソセラピー
④針を使用せずRF(高周波)を表皮から真皮に効率的に熱を伝導し,より肌の内側からたるみを引き締めるタイトニング治療
これらの治療を1台で可能にするのがPOTENZAです.
POTENZAがおすすめ方
ニキビ跡が気になる方
毛穴が気になる方
肌を若返らせたい方
肌を引き締めたい方
肝斑や酒さの改善を希望する方
対応できる肌悩みと施術種類
様々なチップを用いることでアクネスカー(ニキビ跡),スカー(怪我や火傷の瘢痕),毛穴,肝斑,酒さなど多様な肌の悩みを治療することができます.
チップの種類と対応する代表的なお悩み
①Sチップ,②CPチップ,③Iチップは複数のニードルチップ
肝斑,酒さ,毛穴,リジュビネーション,タイトニングにはSチップ
ドラッグデリバリー,アクネスカー(ニキビ痕),スカー(怪我や火傷の瘢痕)にはCPチップ
しわ,アクネにはIチップ
それぞれのチップの違いは?
⇒Iチップはコーティング:
ニードル先端のみの1カ所からRFを出力
表皮へのダメージが少なく真皮に直接エネルギーを与えられる
ニードルによるエネルギーのオーバーラップがない
Sチップはセミコーティング:
ニードル先端に加えてもう1箇所の合計2カ所からRFを出力
マイルドなエネルギー照射によりダウンタイムが短く疼痛も小さい
均一な熱影響
CPチップはドラッグデリバリー専用
④Pチップ,Aチップは1ニードルチップ
汗管腫,ブラックヘッドにはPチップ
膿疱性ざ瘡,面皰にはAチップ
⑤ダイヤモンドチップ,⑥SFAチップは非侵襲(ニードルを用いない)治療
ダイヤモンドチップとSFAチップの違いは?
⇒ダイヤモンドチップはRFがバイポーラとモノポーラを交互に連続で出力
SFAチップはバイポーラのみを出力
肝斑治療
肝斑はメラノジェネシス(メラニンの生合成;細胞外からの刺激によって生じる反応で皮膚のメラノサイト(皮膚色素細胞)により行われる)によって生じるシミです.メラノジェネシスは細胞内外のシグナリングにより厳密に制御されています.
POTENZAはメラノサイトを破壊することなくこれらのシグナリングに働きかけることにより肝斑の根治が期待できる治療です.メラノサイトを破壊することなく治療するため色素沈着,増悪,再発などのリスクを抑えながら治療することができます.
酒さ治療
酒さは肌に赤みがあらわれる症状で具体的な原因は不明ですが主に2つあり①炎症と②血管の2つが寄与していると考えられています(ステロイド外用薬を長期間使用した際に生じた酒さの場合は酒さ様皮膚炎と呼ばれています).①炎症ではHMGB1(High mobility group box 1 protein),サイトカイン(TNF-α,I L-1β,IL-17など),②血管ではVEGF(vascular endothelial growth factor),サイトカイン(IL-1,IL-8など)が関与しています.
POTENZAはこれらのシグナリングに働きかけることにより酒さの改善が期待できる治療です.
毛穴治療
毛穴は生来備わっている必要な器官なので無くすことはできませんが,肌の調子を整えることで目立ちにくくすることができます.毛穴の開大(毛穴の開き)の主な原因は3つあり①皮脂の過剰な分泌②毛穴のたるみ③ニキビなどの炎症が寄与していると考えられています.①皮脂の分泌が過剰になるとそれに伴い毛穴も開きます.②加齢性の変化によりセラミド,ヒアルロン酸,コラーゲン,エラスチンなどの弾性線維が減少し乾燥傾向やたるみに伴い毛穴も開きます.③毛穴に炎症が波及すると表皮細胞が反応性に増殖し毛穴の開口部が狭くなり,結果皮脂が皮膚表皮へ分泌されにくくなります.それを避けるために毛穴の開口部の細胞が外側へ向かって広がるため毛穴も開きます.
POTENZAはニードルとRFの両方によって真皮に直接働きかけることで弾性線維の生成を促進し,またRFにより皮脂腺の働きが抑制されることによっても毛穴を目立ちにくくすることが期待できる治療です.
リジュビネーション・タイトニング
リジュビネーション(rejuvenation)は若返りを意味し,肌のハリやたるみからシミやくすみを含め肌全体の改善を目指す治療です.またタイトニング(tightening)は引き締めを意味し,肌の小ジワやたるみの改善を目指す治療です.
POTENZAはニードルとRFの両方によって真皮に直接働きかけることで弾性線維の生成を促進し肌にハリを与え小ジワを目立ちにくくさせ,また新陳代謝も促進することで肌の外側に向かって古い細胞やメラニンを押し上げくすみなど含め肌全体の改善が期待できる治療です.
ドラッグデリバリー・ニキビ痕・怪我や火傷の瘢痕
スカーは瘢痕(傷跡)とも言われニキビ,傷や外傷,火傷などが治癒の過程で肉芽組織の形成を経て膠原線維や結合組織に置換された状態です.ニキビ跡はクレーターとも呼ばれておりアイスピック型,ローリング型,ボックス型に分類することができます.これまでのアクネスカーやスカーの治療法は外科的な切除,レーザー,ピーリングなどがメインでしたが色素沈着や瘢痕の再発などのリスクも大きく,より低リスクなダーマペンやフラクショナルレーザーなどが台頭し始めましたが高い改善効果が得られないこともあります.
POTENZAは3つの作用①マイクロニードル(CP25(ポンピングチップ)よる穿刺による創傷治癒起点の惹起)②モノポーラRF (凝固と組織再生)③McCoom(ドラッグデリバリーによる組織ボリューム増強反応の活性化)により,よりリスクを抑えた高い治療効果を期待することができます.
McCoomとは?
POTENZA専用に開発された粒子の細かいPLLA(Poly-L-Lactic-Acid;ポリ乳酸)です.PLLAは体内で分解されるポリマーで生体に拒否反応や免疫反応を引き起こさないため,長年にわたり吸収性縫合しや吸収性プレートなどの医療分野での使用実績があります.PLLAを皮下に注入することで真皮でのコラーゲン生成を促進し毛穴や瘢痕の改善が期待できます.
CP25(ポンピングチップ)とは?
特許技術を用いたマイクロドラッグデリバリーを実現するチップです.ニードルを穿刺する際に陰圧をかけることで皮膚により正確に均一に小孔を開けることができ,均一なモノポーラRFを照射します.また皮膚からニードルを抜去する際に陽圧をかけることで薬剤をより深く均一に注入することが可能です.
ダイヤモンドチップとは?
ニードルを用いない非侵襲治療です.1ショットでバイポーラ(皮下で左右均一にRFエネルギーを伝達)とモノポーラ(皮下深くまでRFエネルギーを伝達)を連続照射(深く均一にRFエネルギーを伝達)し,表皮-真皮に素早く効果的に熱を伝達してより強力なタイトニング効果が期待できます.
POTENZAを受けられない方
心臓ペースメーカー,ステント留置,金属を体内に留置している方
アルコール中毒,薬物中毒に該当する方
結合組織疾患,放射線療法または化学療法によって引き起こされる病変を有する方
局所麻酔,抗菌薬または導入する薬剤にアレルギーのある方
コントロールされていない糖尿病の方や糖尿病合併症を発症している方
血液疾患があり,アスピリンまたは血液疾患製剤を服用している方
ざ瘡(ニキビ)を除く感染性皮膚疾患を有する方
ケドイド体質の方
妊娠中の方,幼児
POTENZAを受けらない可能性のある方
1ヶ月以内にボツリヌストキシン製剤注入,ヒアルロン酸注入,脂肪注入,スレッドリフトをされた方
ビタミンA製剤や角質剥離作用を有する薬剤を直近まで使用された方
歯のインプラントやブリッジを用いて歯科治療をした方
治療部位に強い炎症(アトピー性皮膚炎,脂漏性皮膚炎,湿疹など)がある方
活動性のヘルペスの病変がある方
授乳中の方
治療の流れ
ニードルを用いる施術は洗顔後に約15分間麻酔クリームを塗布して疼痛の軽減を図り,その後麻酔クリームを取り除きPOTENZAで治療を開始します.所要時間は約60分です.
ニードルを用いない非侵襲的な施術(ダイヤモンドチップ)は,洗顔後にPOTENZAで治療を開始します.所要時間は約30分です
副作用
①感染
治療後に清潔を保てない場合は感染のリスクが高くなります.
②色素沈着
治療後に刺激が加わったり角質除去を行うと色素沈着が誘発される可能性が高くなります.
③発赤
治療後に発赤が生じ数時間〜数日継続することがあります.
④毛嚢炎
毛嚢への熱刺激に伴い一時的に毛嚢炎を生じたり皮脂分泌が増加することがあります.
ダウンタイム
ニードルを用いる施術の目安は5日〜7日程度です.洗顔,メイク,保湿,日焼け止めは治療12時間経過後より可能です.
ニードルを用いない非侵襲的な施術(ダイヤモンドチップ)のダウンタイムはほとんどなく,発赤を生じた場合でも数時間〜1日程度です.メイクは直後から可能です.
治療回数と治療間
①肝斑:1-2週間間隔で5-10回
②酒さ:4-6週間間隔で3-5回
③リジュビネーション:4-6週間間隔で3-5回
④毛穴:4-6週間間隔で3-5回
⑤シワ:4-6週間間隔で3-5回
⑥薬剤導入:4-6週間間隔で回数は製剤により異なる(McCoomは3-5回)
⑦ダイヤモンドチップ:最短で1週間間隔で3-5回
施術後の注意事項
施術後に強い発赤および熱感が続く場合はアイスパックなどを用いてクーリングすることが推奨されます.
SFAチップによる施術後24時間は油分の含まれない保湿剤を使用してください.
紫外線による色素沈着を防ぐため日焼け止めを使用してください.
スクラブの入った製品や角質除去作用のある薬剤の使用は数日間または発赤が収まるまでは使用を避けてください.
当日は飲酒を控え,サウナ,長時間の半身浴,激しい運動は避けてください.
施術後,一時的にざ瘡や毛嚢炎を生じたり悪化することがあり,長引くと色素沈着を生じることもあります。