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院長ブログ_HIFU

要旨

HIFU(ハイフ)は超音波を用いることで疼痛やダウンタイムを気にすることなく,リフトアップやボリュームダウンを可能にするアンチエイジング機です.複数のカートリッジを使い分けることで外科的なアプローチを用いず,小ジワ,ほうれい線やマリオネットライン,フェイスラインのもたつきや二重アゴなど顔の輪郭の改善が期待できます.複数回の治療や定期的に施術を受けることでより高い効果が望めます.

 

HIFU(ハイフ)とは?

HIFU(ハイフ)はHigh Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)の頭文字で,トランスデューサー(超音波発振子)により超音波を1点に集音させ,その熱影響を利用して肝臓癌,乳癌,子宮筋腫などの治療に使用されてきました.美容治療領域では目的に応じたカートリッジを使用することで,表皮にダメージを与えることなく組織の温度を60〜65℃まで上昇させることで皮下組織のリフトアップやボリュームダウンを可能にするアンチエイジングの効果が期待できます.

 

HIFUがおすすめ方
  • 額,目元や目尻の小ジワが気になる方
  • ゴルゴライン,ほうれい線,マリオネットラインが気になる方
  • フェイスラインや頬のもたつき,二重アゴが気になる方
  • 疼痛が少ないアンチエイジング治療を受けたい方
HIFUの特徴
  1. 組織を凝固させる十分な熱エネルギーを発生できます.
  2. ターゲット部位以外の周辺の組織の損傷リスクは低いです.
  3. 外科的な侵襲がないため出血や感染のリスクも極めて低いです.
医療HIFUとエステHIFU

最も大きな差異は出力です.出力はHIFUの効果に大きく寄与する一因で,医療機関ではより高出力で施術することで高い効果を期待できます.

顔の構造

皮膚と皮下組織で構成されています.

皮膚は表皮と真皮に分けられます.

表皮も真皮もさらに細かく分けることができます.

表皮の最深部にある基底層が細胞分裂することで常に新しい皮膚へと置き換わっています(新陳代謝).

新陳代謝は約28日周期で行われ加齢性の変化により周期は緩徐になります.

真皮は肌のハリを司るコラーゲン(膠原線維)や弾力ある肌の源のエラスチン(弾性線維),

肌の潤いに寄与するヒアルロン酸などで構成されこれらは線維芽細胞によって作られています.

外的な環境要因(例えば日焼け)や加齢性の変化に伴い線維芽細胞の数が減少し結果的にコラーゲンやエラスチンの産生も減少します.

皮膚の下には脂肪,筋肉,骨と言った皮下組織があります.

皮下組織も時間と共に下垂や痩せたり皮膚を支えきれなくなることで加齢性の変化が表現されます.

顔の輪郭のエイジング(加齢性の変化)とアンチエイジング治療

エイジング(加齢性の変化)は20代半ばから少しずつ現れます.最初は皮膚から始まり皮下組織へと続き顔の土台となる重要な組織の骨も早ければ30代から痩せ始めます.輪郭のエイジングは主にシワやたるみとして表現されます.アンチエイジングの治療は主に

  1. 手術
  2. スレッドリフト
  3. 注入
  4. 機械  の4つに分類することができます.

手術が最も効果が高くフェイスリフトが代表的な術式です.

フェイスリフトはリフトの部位によって更に細分化できますが側頭部,耳前部,耳後部などを切開して組織を剥離しSMAS(Superficial Muscloaponeurotic System;スマス)と呼ばれる筋膜を引き上げることでよりリフトの効果を高め,皮膚も引き上げながら余分な皮膚は切り取って縫合する手術です.

フェイスリフト様の効果を手術に依らずに得られるような治療が②スレッドリフト③注入④機械で,HIFUは機械によってシワやたるみの改善が期待できます.

HIFUのカートリッジ(※ULTRAcel Q+の場合)

HIFUは複数のカートリッジを使い分けることでより効果的にアンチエイジング治療をすることができます.

治療の目的に応じてカートリッジの種類や深さを選択します.

  • ドットカートリッジ(1.5mm,2.0mm,3.0mm,4.5mm)

ドットカートリッジは超音波の熱エネルギーを点状に集中させタンパク質の変性を起こします.真皮に集中させることでタイトニング,SMASに集中させることでリフトアップ効果を期待できます.

  • リニアカートリッジ(4.5mm)

リニアカートリッジはタイトニングやリフトアップを目的としたドットカートリッジよりも脂肪層に対して線状に均一かつ一度で広範囲に熱エネルギーを与えることができます.脂肪層に効率的にアプローチすることでより効果的なボリュームダウンが期待できます.

また真皮層をターゲットにしたブライトニング専用カートリッジもあります.

  • Body HIFU

リニアカートリッジ(4.5mm,6.0mm,9.0mm)を用いることで二の腕,腋窩前部(ブラファット),膝上のボリュームダウン効果を期待することができます.

 

HIFUを受けらない方
  • 心臓ペースメーカー,ステント留置,金属を体内に留置している方
  • 心疾患の方,出血性疾患の方
  • 膠原病など自己免疫性疾患の方
  • コントロールされていない糖尿病の方や糖尿病合併症を発症している方
  • 皮膚悪性腫瘍,前癌病変,またはその疑いがある方
  • 施術部位に創傷,重篤な皮膚疾患及び感染症がある方
  • 施術部位に金の糸または金属プレートなどを留置している方
  • ケドイド体質の方
  • アルコール中毒,薬物中毒に該当する方
  • 妊娠している方,乳幼児
HIFUを受けられない可能性のある方
  • 悪性疾患の方,高血圧症の方,急性疾患の方
  • 肝斑の方,血管腫の方,敏感肌の方
  • 抗凝固薬を服用している方
  • 抗炎症薬,アスピリンを服用している方
  • 1ヶ月以内にボツリヌストキシン製剤注入,ヒアルロン酸注入,脂肪注入,スレッドリフトをされた方
  • 治療部位にインプラント,シリコンプレートなどを留置している方
  • ビタミンA製剤や角質剥離作用を有する薬剤を直近まで使用された方
  • 歯のインプラントやブリッジ,矯正具等の金属製器具を装着している方
  • 治療部位に強い炎症(アトピー性皮膚炎,脂漏性皮膚炎,湿疹など)がある方
  • 活動性のヘルペスの病変がある方
  • 授乳中の方
治療の流れ

洗顔後に施術します(麻酔は不要です).深い層から浅い層の順番にHIFUで治療を開始します.所要時間は約20分です.

比較的頻度の高いリスク

個人差はありますが施術時の疼痛(多くの場合激しい疼痛なく施術できます).

治療後の発赤,腫脹など一時的などが生じ,多くの場合は数時間で改善します.

まれなリスク

熱傷やそれに伴う色素沈着,神経損傷(顔面神経,眼窩上神経,滑車上神経,眼窩下神経,大耳介神経),毛嚢炎などがあります.

その他の治療法

外科的治療,糸リフト,脂肪融解注射など

HIFUのダウンタイム

ドットカートリッジ,リニアカートリッジの場合もほとんどなく,施術後すぐにメイクも可能です.

一時的な反応として発赤,腫脹,疼痛などを生じることがあります.

HIFUの治療回数と治療間隔

ドットカートリッジを用いた治療

3ヶ月以上あけて半年〜1年に1回程度継続が目安です.

リニアカートリッジを用いた治療

2週間の間隔で3回を1クール,効果が不十分の場合はさらにもう1クール治療を継続して以降は半年に1回程度継続が目安です.

施術後のアフターケアと注意事項

帰宅後にも強い発赤および熱感が続く場合はアイスパックなどを用いてクーリングすることが推奨されます.

皮膚の乾燥を感じる場合は保湿クリームを使用します.

日焼け止めはSPF10-30のノンケミカルの日焼け止めを塗って紫外線から肌を守って下さい.

スクラブの入った製品や角質除去作用のある薬剤の使用は数日間または発赤が収まるまでは使用を避けてください.

1週間は激しい運動をしないでください(サウナ,長風呂,激しい運動,水泳など血流の良くなるような運動は避けて下さい).

施術後,一時的にざ瘡や毛嚢炎を生じたり悪化することがあり,長引くと色素沈着を生じることもあります.